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ウサギの習性と進化のパワー

2012-07-01 09-57-16

何度が写真を載せていますが,うちのウサギはしばしばこういう様なポジションをとります。このウサギは,家で飼われている多くのウサギと同様,生まれて数週間で我が家に来ましたので,野生経験はありません。目の前に棒がある。おそらくこういう「視界」のところでは安全であると,ウサギの脳が先天的に記憶しているのでしょう。

人間からみたら滑稽に見えるかもしれません。人間の脳は発達していて,どういうところが危ないか,深く洞察することができます。しかしウサギの脳は人間程に発達していませんから,限られたことしか記憶できません。ただし,このウサギが野生で暮らしたり,親兄弟や,仲間と暮らしていたら,安全な場所はどういうところかを学習できた可能性はあります。

しかし,限られた脳の力の元で,ウサギの種を残す上では,わずかにこの「視界」ならば安全ということを先天的に記憶させるよう「進化」の過程で学習すれば十分だったのかもしれません。ウサギが進化の過程で,長い間暮らしていた自然界では,このような「視界」のところは比較的に安全だった。このような「視界」を安全と思える先天的知識を持ったウサギは,生き残り易かった。そういう先天的知識を持たないウサギは,肉食動物に補食されてしまった。ごく限られた容量しかない先天的記憶力で,可能な限り効率的に生き残りを図る。

逆に人間がウサギのこの習性を知らないと仮定して,ウサギの限られた容量の先天的記憶力で,どうしたら生き延びられるかを実験的ないし理論的に見つけるかとしたら,相当に難しい問題と思われます。そもそもウサギの先天的記憶力や,ウサギが生きていく上での危険を分析・理解するだけでも相当に難しいと思われます。そして,仮説ができたとして,その仮説を実証するのも難しい。

すごいパワーです。「進化」というものは。