Think Real

リアルに考えよう

伝統と伝承の出雲大社と伊勢神宮

昨年,出雲大社に行ったのですが,出雲大社が祀る大国主命(オオクニヌシノミコト)のことを,ほとんど知らない自分に気付きました。因幡の白ウサギの逸話は記憶にありますが。

この週末,正月に放送されたNHKスペシャル「シリーズ遷宮 第2回 出雲大社」を観たのですが,何と奥深い物語でしょう。古事記に書かれているという物語は単なる神話に過ぎないとは思えない。この国の人達は,リアルな世界の話を物語として語り継ぎ,千年以上の長きに渡って約束を守っている。この国の歴史と成り立ちに思いを馳せ,はからずも涙がこみ上げてしまいました。

NHKスペシャル シリーズ遷宮 第2回
出雲大社~オオクニヌシの謎~
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2014/0102/

昨年,伊勢神宮にも行きましたが,その一見したところの質素さが驚きでした。NHKスペシャルを観て思ったのですが,伊勢神宮の質素さはおそらく意図的ですね。なぜなら,この国の成り立ちの中で,神の世界,天上界の事は出雲大社に譲ったから。それが今日まで,一貫性を持って受け継がれている見事さ。

四方を海に囲まれ,外国からの侵略を受けにくかったことが関係していると思いますが,千年以上に渡ってその歴史を伝承させていることには改めて感動を覚えます。

ガラパゴス的とは,この国を自嘲的に語るときによく用いられる表現ですが,この国の人達が伝承し続けているその伝統は,感動的ですらあると思い始めているこの頃です。