Think Real

リアルに考えよう

竹内郁雄先生のエッセイ「つぶ餡と漉し餡」

日本を代表するハッカーとして知られる、そして、日本のコンピュータ業界において最高レベルの筆力を有する竹内郁雄先生が、私をダシに素晴らしいエッセイを書いて下さいました。

ハッカーの遺言状──竹内郁雄の徒然苔第5回:つぶ餡と漉し餡 | サイボウズ式

こんな素晴らしい文章が無料で読める。素晴らしいです。

後段の話の展開も見事で、いろいろと思考を刺激されました。いつか機会/時間のあるときに、リプライの文章を書いてみたいと思います。

私がこの道(ホモ^^、透明)に入ったのは、本来の嗜好も多分にあるかもしれませんが、18歳で大学の情報学科に入ったときに、私にコンピュータ入門を教えて下さった先生がたまたまOSの先生であり、その先生が、黒衣(くろこ)=透明、なる美学がコンピュータのシステムソフトウェアの世界にはあるということを啓示して下さったことがあると思います。その先生の研究室に弟子入りして、当時閃いた啓示のようなものを追い求めて幾星霜、今日に至っても追い続けているような気がします。

竹内先生の文章の後段で、ホモとヘテロは相補的であり、交互に階層を作り上げるという話が出てきます。舞台は主役と黒衣(あるいは裏方)で出来ている。主役と黒衣は相補的であり、どちらを欠いても舞台は成り立たないということでしょうか。

私は現在、大学の教育クラウド室室長という仕事をやっていますが、今ちょうど、筑波大学の広大なキャンパス(東京ドーム55個分以上、東京キャンパスも含む)の約30の教室の授業を自動収録配信することができる分散システムの構築を行っています。長らく携わっている「分散システム」のフィールドワーク展開。このシステムは、プロジェクタを使おうが、黒板を使おうが、何も使いまいが、当人はゼロエフォート(オペレータも必要なし、簡単な初期設定のみ)で、学期期間中、授業を自動的に動画収録・配信出来るシステムを作っています。思えばこのシステムもホモであり、透明であり、黒衣に徹しているなぁと思い当たった次第です。


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(2010年11月「未踏」シンポジウムにて)