Think Real

リアルに考えよう

日本が「ガラパゴス的」とはどういうことか

ガラパゴス諸島は,その独特な地理条件によって他の地域とは「隔離」され,そのために独特の進化を遂げた生態系が出来上がりました。日本は「孤島」でありながら,大陸とも近いという微妙な位置関係によって,大陸文化に影響を受けつつも,独自国風文化が発達するというハイブリッドな文化・伝統を持っています。ハイブリッドの度合いが時代によって微妙に揺れ動くのですが,それが何とも独特な文化を築いていると思います。

また,約2千年の歴史を持つこの国の歴史は,言語化・文書化されていない部分が多く,あるいは,書かれていてもそれが何を意味するのかの解釈が難しい場合が多く,専門家が読み解けない限りわからないことも多い。あるいは長きに渡って,門外不出,非公開となっていて,解明にしくいことも多い。あるいは,知らない間に埋もれてそのままになっていることも多い。 しかし,何かのきっかけでそれらを垣間見たり,掘り起こしたり,あるいは,その意味をじっくりと考えてみると,古き文化が,驚くほど長きに渡って,脈々と今日の文化に受け継がれていることに気付いたりする。そういう深みをもっていると思うのです。この国の文化は。

伝統と伝承の出雲大社と伊勢神宮

昨年,出雲大社に行ったのですが,出雲大社が祀る大国主命(オオクニヌシノミコト)のことを,ほとんど知らない自分に気付きました。因幡の白ウサギの逸話は記憶にありますが。

この週末,正月に放送されたNHKスペシャル「シリーズ遷宮 第2回 出雲大社」を観たのですが,何と奥深い物語でしょう。古事記に書かれているという物語は単なる神話に過ぎないとは思えない。この国の人達は,リアルな世界の話を物語として語り継ぎ,千年以上の長きに渡って約束を守っている。この国の歴史と成り立ちに思いを馳せ,はからずも涙がこみ上げてしまいました。

NHKスペシャル シリーズ遷宮 第2回
出雲大社~オオクニヌシの謎~
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2014/0102/

昨年,伊勢神宮にも行きましたが,その一見したところの質素さが驚きでした。NHKスペシャルを観て思ったのですが,伊勢神宮の質素さはおそらく意図的ですね。なぜなら,この国の成り立ちの中で,神の世界,天上界の事は出雲大社に譲ったから。それが今日まで,一貫性を持って受け継がれている見事さ。

四方を海に囲まれ,外国からの侵略を受けにくかったことが関係していると思いますが,千年以上に渡ってその歴史を伝承させていることには改めて感動を覚えます。

ガラパゴス的とは,この国を自嘲的に語るときによく用いられる表現ですが,この国の人達が伝承し続けているその伝統は,感動的ですらあると思い始めているこの頃です。

豊洲駅近辺と芝浦工大の風景

先週,情報処理学会の研究会&シンポジウム参加のために芝浦工業大学の豊洲キャンパスを訪ねました.地下鉄の豊洲駅から芝浦工大キャンパスまで.冬の関東は晴天の日が多く,空気も乾いていて,写真を撮るにはよいです.豊洲は新開発された地区で,土地の使い方が広々としていて,歩くだけでも気持ちいい.

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これが芝浦工大.門がなく,広々とした空間に圧倒されます.近所の人達の憩いの場でもあるよう.

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紅葉も美しい.

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これが建物中の様子.窓と空間を大きく取り,自然光が気持ち良く入っていきます.

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帰りがけに近所のレストランの風景.外の風景が窓ガラスにきれいに映り込んでいます.
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街全体がゆとりある空間設計.
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自然と共に生きていく

この国は自然に恵まれた国である。美しい風景,美味しい食材。時に自然は人々に襲いかかることもある。それもまた自然である。この国で暮らす私達は長いこと,その自然と共に生きてきた。

今回,伊豆大島を襲った超大型台風26号のような災害や,3.11のような災害を,この国はこれまでに何度も,数限りなく経験してきたことだろう。原発事故は今回が初めてだが。天からは大雨や台風,地からは地震,海からは津波。山は崩れ,川は溢れる。そういう国なのだ,この国は。

最近,私は初めて伊勢神宮を訪ねた。行ってみるまで分からなかった。この国において「最強」の神であろう天照大御神を祀る神宮。そこあったのは壮大な建築物ではない。質素な社と雄大な森。ただし単なる森ではない。神秘性を湛えた森であった。

そして悟った。日本は無宗教の国?とんでもない。私達の身体の中には,世界の国々の人々と同様,神を敬い,畏れる心が満ちている。

日本の神は八百万の神だ。自然のここかしこに神は宿る。なぜ今年になって一千万もの人々が既に伊勢神宮を訪れたのか。行けば分かる,行かなくては分からない。日本の神は,言語化されていない。感じるしかない。自然から感じ取るのだ。

自然から恩恵を受け,自然と共生していく工夫を続けること。それがこの国の歴史であり,未来でもある。

日本ソフトウェア科学会30周年記念大会の記念招待講演

日本ソフトウェア科学会30周年記念大会における記念招待講演の様子です。

大堀 淳 氏(東北大学 電気通信研究所 教授)「関数型言語SML#の開発」
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久世 和資 氏(日本アイ・ビー・エム株式会社 執行役員 研究開発担当)「A New Era of Computing」
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お二人のツーショット。
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日本ソフトウェア科学会FTDの公式動画

日本ソフトウェア科学会の30周年記念大会企画 FTD (Future Technology Design)の公式動画版がYouTubeに公開されました。

公式動画はYouTubeチャンネル(JSSSTxFTD)からご覧下さい。関連サイトが下記にあります。
Facebook https://www.facebook.com/JSSSTxFTD
Google+ https://plus.google.com/115715071661304768176/

また,大会の様子をスライドショーにしたものが公開されています(広報委員長の脇田建 先生(東工大)が作成)。

FTD講演者は下記の皆さんです。

後藤 真孝 氏(産業技術総合研究所)
P9110197 - 2013-09-11 13-09-05

塩野崎 敦 氏 (クウジット)
P9110210 - 2013-09-11 13-23-48

森畑 明昌 氏(東北大学電気通信研究所)
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角岡 幹篤 氏(富士通研究所)
P9110238 - 2013-09-11 14-00-32

落合 陽一 氏(東京大学)
P9110243 - 2013-09-11 14-15-12

末永 幸平 氏(京都大学)
P9110254 - 2013-09-11 14-30-09

五十嵐 建夫 氏(東京大学大学院)
P9110285 - 2013-09-11 14-42-49

三谷 純 氏(筑波大学)
P9110306 - 2013-09-11 14-56-53

薬師丸ひろ子の本領発揮(朝ドラ「あまちゃん」)

今朝(9月25日)の「あまちゃん」感動的でしたね。改めてキャスティングの素晴らしさを実感しました。それから歌詞「三途の川のマーメード」の仕込み。薬師丸ひろ子は14歳で映画「野生の証明」でデビューし,鮮烈でした。そして歌も,もの凄くうまかった。歌手だけでも通用する級。

今の若い人は薬師丸ひろ子を実力派ベテラン女優としてしか知らないはず。あまちゃんの鈴鹿ひろ美は実は歌がうまいという落ちはどこかで使う仕込みになっているはずと思っていましたが,今日がその日でした。

私,昔,レーザーディスクで薬師丸ひろ子のライブを持っていました。薬師丸ひろ子のバックは,センチメンタル・シティ・ロマンスが務めていたんですよ。竹内まりあと同様。達者な楽器演奏と背筋がぞくぞくするような男性コーラスができる,名古屋のポップロック・グループ。

「潮騒のメモリー」は小泉今日子バージョンが相当売れていると思います。小泉バージョンもよいですが,聞くと涙してしまいそうになるバージョンとして,薬師丸ひろ子バージョンもぜひ発売するとよいかと。