Think Real

リアルに考えよう

2020オリンピック招致の最終プレゼンテーション

9月7日夜は,帰宅が遅かったのですが,偶然Yahooニュースで日本のプレゼンが始まったところだとスマホで見て,急いでNHK放映を観ました。あのプレゼンをリアルタイムで観られたはラッキーでした。

日本のプレゼン,良かったですね。隅々までよく準備され,コントロールされていた。自然な笑顔の作り方まで。聴衆第一になるようによく構成され,練習されていた。日本人が目指すとよい,プレゼンのリファレンスが出来たように思います。

オリンピックプレゼンで感心したことはいくつもあるのですが,その一つはフランス語を複数のプレゼンテータが使っていたこと。日本は「世界」を強く意識しているということを暗に表現していたと思います。

日本のプレゼンはおそらく歴代プレゼン屈指のレベル

私はまだ,スペイン,トルコのプレゼンを観ていません。いずれチャンスがあったら観てみたいと思っていますが,おそらく日本のプレゼンは一番の出来だったと思います。それどころか,これまでに行われたすべての五輪決戦プレゼンの中でも屈指のレベルの出来だったであろうと思います。

今回,最も大きな経験をしたと思われるのが猪瀬知事。一時期は自分の失言で,アウト寸前まで追い込まれた。あの前後で大きな衝撃を味わったはず。昨夜のプレゼン,あの猪瀬知事が一生懸命,笑顔を作っていました。自然な笑顔とは言えなかったかもしれないけど,懸命に頑張る姿を私は買います。

あのプレゼンはどうして,屈指のレベルと言えるのか?

あのプレゼンがどうして聞くものを胸を打つのか。強いチームワークが感じられるからです。さまざまなプレゼン上の工夫がなされてましたが,単にプレゼン技術だけに留まらなかった。プレゼンターに留まらず,関係者が一つになっていることが観ていて感じ取れ,よいスポーツ試合を観ているような清々しさを感じました。

人は一つになる,ということに感動を覚えます。それは一つになる事が,実はとても難しいからです。東京オリンピック招致チーム,あのプレゼンチームが,日頃から仲良しの人達なのかはわからない。同床異夢の人達かも知れない。だけど,オリンピック招致という一点について,一つになっていることが観る人に伝わってきた。

この「一つになる」ということは,古来からの永遠のテーマです。小説や映画でも繰り返し,「一つになる」,「仲間になる」ということがメインテーマとして描かれます。例えば,「指輪物語」や「ホビットの冒険」。日本のTVドラマ,アニメ,映画。あるいはRPG。

ちなみに余談ですが,チームワークで人々を落胆させてくれたのが民主党。なぜ民主党への国民の支持は凋落していったか。この人達には「一つになる」という気がないということが何度も何度も露わになったから。

なぜ東京オリンピックに期待するのか

私は元々,オリンピック招致に関してあまりポジティブではなかったのですが,いくつかの経験を経て,ポジティブな意見を持つようになりました。その一つのきっかけは,昨日のプレゼンでも映像が使われていましたが,ロンドンオリンピック選手団を迎える銀座での50万を集めたパレード。予告期間はそう長くなかったにもかからず,平日にあの数の人が集まるのをニュース映像で観て,人々がオリンピック選手の活躍から大きな元気をもらい,ああこういうことを今の日本人は渇望しているのだなぁと感じました。

そしてもう一つ,この国に五輪が来るといいなと思ったのは,福島での汚染水漏れが海外のメディアに取り上げられ,招致レースに影響を与えているとのことを受けて,我が政府は態度を急変させ,福島原発への直接介入を決めたこと。「外」からの目を意識して,やっと重い腰を上げた。

この極東の島国の為政者は,往々にして世界の「常識」とは異なる判断をしてしまいます。この国にはもう少し,世界の目が入ることが必要です。世界的な視点を持つことが必要。五輪を東京で,というのは,東京/日本を世界の人に観て貰うチャンスであり,「見られる」チャンスでもあります。

発言が行動を規定する

今回,総理や都知事は無理してリップサービスしてしまったところがあるかもしれません。しかし人間,言ってしまったので仕方なくそれをやり,結果的に良い結果になる事もあります。夢は口にすると実現するということもある。しかも今回は世界の目というプレッシャー付き。この国の良い方向への変化を期待します。