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Schadenfreude(シャーデンフロイデ)なる単語(人の不幸は蜜の味)

今日初めて知ったのですが,Schadenfreude(シャーデンフロイデ)なる単語があるのですね。ドイツ語の名詞。意味は,他人の不幸,苦しみを知ったときに生じる快い感情のこと。日本語で俗に言う,「他人の不幸は蜜の味」。こういう単語があるということは,ドイツ語文化圏では,昔から何と深い心理分析が行われていたのかと感心してしまいました。さすが,ゲーテフロイトを生み出したところです。下記のWikipedia日本語エントリーの記事は短いですが,英語版はもっと詳しく書かれています。

wikipedia:シャーデンフロイデ

シャーデンフロイデ(独: Schadenfreude)とは、他者の不幸、悲しみ、苦しみ、失敗を見聞きした時に生じる、喜び、嬉しさといった快い感情。ドイツ語で「欠損のある喜び」「恥知らずの喜び」の意味である。日本語で言う「様を見ろ」の感情であり、日本でのシャーデンフロイデの類義語としては「隣(他人)の不幸は鴨(蜜)の味」、同義の「メシウマ((他人の不幸で)飯が美味い)」が近い物として挙げられる。

そして思い出しました。遠野地方のわらべうたの有名な伝承者,阿部ヤヱさんが,大部前に,NHKラジオ番組でインタビューに応えて語っていました。地方で口頭伝承されてきたわらべ唄には,長い間に先人によって蓄積された深い知恵が蓄積されている。例えば,人には,他人の幸運を嫉んでしまう心がある。人は皆,自分の心の中に潜むそういう心と付き合っていかねばならない。そういうことを学べるのです,わらべ唄から,と阿部さんは仰っていました。

(羨んでしまう心,ねたみ,嫉妬(英語はenvy)は,人の幸福を悔しく思ってしまう心,人の幸福を共に喜べない心のこと。シャーデンフロイデとはちょっと違うのですが,人の心の奥底にある微妙な領域の心の現象に関するという意味では,同じカテゴリーの言葉と思われます。)

名前が付くと,概念がシェアされ易くなるということがあります。Schadenfreude(シャーデンフロイデ)。あまりよい意味の単語ではないのですけれど,知っておいてよい単語のように思います。