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関越道バス事故に関して思うこと

今回の関越道バス事故は,運転手,バスの運行会社の問題と言うより,もっと大きな構造的な問題があるように思う。規制緩和をすれば,参入障壁が下がり,競争は激化する。そうすれば,コスト下げ競争が強まり,車両コストや,運転体制コスト圧縮圧力が高まるのは必至。ハードウェア的な部分のコストがギリギリとなれば,人件費部分が切り詰められ,いわゆる「搾取」状態に陥りがちなことは,産業革命の時以来,人類が知る知見。

安いものはリスクがあるのだから,危険と思うユーザは安いものは避ければよいという意見もあるかもしれないが,命や健康が関わる話は,それだけでは済まないでしょう。

規制は,緩和するだけでは駄目で,「安全装置」をビルトインすることが必要。つまり,役所側は規制緩和するには,手間ひまを掛けて「システム作り」をしないといけない。

コンピュータのシステムや,ネットワークサービスでも,システムバランスを変更するときは,とても注意を払う。システムバランスの変更が,大いなるユーザの不満を招くことがあることを経験的に知っているから。

相次ぐ参入、安全面に影4/30 朝日新聞 朝刊
バブル崩壊後の経済振興策として、国土交通省はこの10年あまり、規制緩和を続けてきた。貸し切りバス事業の分野では2000年、地域でバスを増やす必要が生じたときにだけ新規参入を認めるやり方を改め、条件さえ整えば参入できるように道路運送法を改正した。

旅行会社が客を募集するものの、道路運送法上の安全責任を負うのはバス会社。そのため、安価なツアーを立てた旅行会社が安全コストを度外視した発注をする例もあるという。