「長話」相伝
今夕は久方ぶりに,昔お世話になった先生をお訪ねし,夕食をご一緒しました。久しぶりの廻らない寿司^^。素晴らしいですね,和食の造形美は。素材を生かした一期一会の美。
御年75歳。当方51歳。しゃべった時間は4時間半。昔と変わらず,絶えることなく,二人で延々としゃべり続けながら,元気な御様子に,こちらが元気をもらいました。帰途,これを書きながら,そうだ,私の長しゃべりを鍛え,一子ではないけれども,相伝してくれた師匠の一人はこの先生だったと思い当たりました。
竹内郁雄先生のエッセイ「つぶ餡と漉し餡」
日本を代表するハッカーとして知られる、そして、日本のコンピュータ業界において最高レベルの筆力を有する竹内郁雄先生が、私をダシに素晴らしいエッセイを書いて下さいました。
こんな素晴らしい文章が無料で読める。素晴らしいです。
後段の話の展開も見事で、いろいろと思考を刺激されました。いつか機会/時間のあるときに、リプライの文章を書いてみたいと思います。
私がこの道(ホモ^^、透明)に入ったのは、本来の嗜好も多分にあるかもしれませんが、18歳で大学の情報学科に入ったときに、私にコンピュータ入門を教えて下さった先生がたまたまOSの先生であり、その先生が、黒衣(くろこ)=透明、なる美学がコンピュータのシステムソフトウェアの世界にはあるということを啓示して下さったことがあると思います。その先生の研究室に弟子入りして、当時閃いた啓示のようなものを追い求めて幾星霜、今日に至っても追い続けているような気がします。
竹内先生の文章の後段で、ホモとヘテロは相補的であり、交互に階層を作り上げるという話が出てきます。舞台は主役と黒衣(あるいは裏方)で出来ている。主役と黒衣は相補的であり、どちらを欠いても舞台は成り立たないということでしょうか。
私は現在、大学の教育クラウド室室長という仕事をやっていますが、今ちょうど、筑波大学の広大なキャンパス(東京ドーム55個分以上、東京キャンパスも含む)の約30の教室の授業を自動収録配信することができる分散システムの構築を行っています。長らく携わっている「分散システム」のフィールドワーク展開。このシステムは、プロジェクタを使おうが、黒板を使おうが、何も使いまいが、当人はゼロエフォート(オペレータも必要なし、簡単な初期設定のみ)で、学期期間中、授業を自動的に動画収録・配信出来るシステムを作っています。思えばこのシステムもホモであり、透明であり、黒衣に徹しているなぁと思い当たった次第です。
総務省「ネットワークアプリケーション技術に関するシンポジウム」
3月13日,総務省主催「ネットワークアプリケーション技術に関するシンポジウム」に出席して,ショートプレゼンとポスター発表を行ってまいりました。
発表しているのは当研究グループの阿部洋丈先生。
素晴らしい演技の後の,演技ではない涙が私達の胸を強く打つー浅田真央
今回のソチでの冬季オリンピック,浅田真央はとてつもなく素晴らしいものを私達に贈ってくれたと思います.オリンピックの一種目で金メダルは1つ,銀と銅を合わせても3つしかない.そして4年に1回しかない.そのメダルを取ることを目指して,選手達はひたすら頑張る.
メダルを取れなかったら駄目なのか? そんなことはない.
「取り返しの付かないことをしてしまった」は,一日目の演技に対する浅田の弁.まさかこんなことになるとは,我々も,本人も思わなかったはず.あぁもう駄目だ,と思う.そういうことは誰にでもある.この4年間の努力,いやこれまでのすべての努力が,わずか数分で水泡に帰すのか.
絶望の淵から這い上がる.それは限られた人でなく,むしろ多くの,大部分の人が出会うこと。
二日目の浅田真央は,自分が努力して蓄えてきたものほとんどすべてを,僅か4分の中に出し切った.うまくいったと思う気持ちと同時に,自然と溢れ出てくる涙.そして笑顔の真央が帰ってくる.人間ならば,誰もが体験する,人生の縮図.ドラマと言ってもいい.素晴らしい演技の後の,演技ではない涙が私達の胸を強く打つ.
私達誰もが体験し得る涙であるが,あれほどの劇的な涙がカメラによって記録されることは珍しい.
スポーツ選手が目指す事,いや,人が目指すべき事は,メダルを取ることだけではないことを身を持って思い知らせてくれました.
また一つ私達は,未来に語り継がれていくであろう時代の記録,そして日々生きていく勇気をもらいました.ありがとう.